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Windows Server 2008 RC0日本語版でWindows Server Virtualizationを動かす方法


 Windows Server 2008 RC0の日本語版では、Windows Server Virtualization(以下、WSv)を動かすことができないとアナウンスされているが、日本語環境上で動作させる方法が見つかった。ただし、TechNetやMSDNのユーザーの場合という条件が付く。

 WSvをインストールするには、「Windows Server 2008 RC0ファーストインプレッション」で説明したように、事前に2つのプログラムをインストールする必要がある。どうやら、このプログラムがランゲージチェックを行っているため、英語版でしかインストールできなくなっているようだ。

 そこで、インストールしたWindows Server 2008 RC0日本語版を英語環境に一時的に変更することで、事前プログラムがインストールできるようになる。やり方はいくつかあるが、今回はTechNetやMSDNなどで配布されている「Language Pack」を利用することで、レジストリをいじらずに、Windows上のGUIからの変更のみで行う方法を試してみた。なお、この裏ワザ自体はマイクロソフトは正式に認めているものではないため、もしトラブルが起こったとしても、ユーザー自身の責任として試してほしい。


1. ハードウェア環境の設定

 WSvを動かすためには、CPUの仮想化機能(IntelならVT、AMDならAMD-V)をオンにする必要がある。この仮想化機能がオフの場合、WSvのインストールは行えても、Hypervisorが動作しないため、結局WSvが動作しないことになる。これらのオン・オフは、BIOSで設定する必要があるため、インストール前に確認しよう。BIOSに項目がない場合は、BIOSのアップデートを行うと項目が追加される場合もあるので試してみてほしい。


2. Language Packのダウンロード

 Windows Server 2008 RC0をダウンロードしたサイト(TechNetやMSDN)から、あらかじめWindows Server 2008 RC0 Language Packのx64版をダウンロードしておく。ダウンロードしたファイルは、ISOファイルになっているので、あらかじめメディアに焼いておこう。


3. 英語環境のインストール

 コントロールパネルにある[地域と言語のオプション]をダブルクリックし、[キーボードと言語]タブにある[言語のインストールまたはアンインストール]をクリックする。[言語のインストール]を選択し、先に用意したLanguage Packのメディア上にある[EN-US]フォルダを選択して英語環境をインストールする。


[キーボードと言語]タブにある[言語のインストールまたはアンインストール]をクリック [言語のインストール]を選択 Language Packのメディア上にある[EN-US]フォルダを選択して[次へ]をクリック

 インストールが完了したというメッセージが表示されたら、[表示言語を次の言語に変更する]をチェック。そうすると[English]が選択できるようになるので、選んで[ログオフ]をクリックする。


[表示言語を次の言語に変更する]をチェックして、[English]を選択し、ログオフする

4. 事前ソフトの導入

 ログオンすると英語の画面になっているはずだ。この後は、RC0ファーストインプレッションで説明したように、必要な各ソフトをインストールしていけばOK。


[Windows]-[wsv]にある2つのファイルをそれぞれ実行する

5. 日本語環境に戻す

 WSvをインストールした後は、日本語環境に戻しておこう。戻し方は、Control Panelにある[Regional and Language Options]をダブルクリックし、[Keyboard and Languages]タブにある[Choose a Display Language]を[日本語]に変更する。変更後、ログオンしなおせば日本語表示に変更される。



6. サーバーマネージャを起動し、WSvを追加する

 サーバーマネージャを起動し、[役割の概要]にある[役割の追加]をクリック。ウィザードが起動するので、[Windows Server virtualization]をチェックし、追加しよう。


[Windows Server virtualization]を選択 利用するイーサネットカードを選択。実運用で使う場合は2枚以上のカードを用意しよう インストール途中で一度再起動される。再起動後、問題なければインストールは完了する

 Windows Virtualization Managementが、仮想環境の管理コンソールとなる。後は、このコンソールで新しい仮想環境をセットして、その後OSをインストールすればいい。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/

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  ・ Windows Server 2008 RC0 ファーストインプレッション(2007/10/01)


( 山本 雅史 )
2007/10/11 00:14

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