PDAの覇権をめぐって争ってきた米Palmと米Microsoftが戦略提携した。Palmの主力製品であるスマートフォン「Treo」にMicrosoftのモバイル端末向けOS「Windows Mobile 5.0」を搭載して販売するというものだ。「コカコーラが、ボトルにペプシを詰めて売るようなもの」(米Forbes誌)と評されるほどの意外な組み合わせだが、ここに至るにはそれぞれの思惑と経緯があったようだ。
Windows版Treoについては、Intel製のプロセッサを採用すること以上の情報はほとんど公表されていない。ただプロトタイプをみると、サイズやQWERTYキーボードなどハード的な違いはほとんどないように見える。Palm OS版にない特徴は、モバイル版のOutlook、Office、Internet Explorerを組み込んであり、MicrosoftのExchange Server 2003に直接アクセスできるという点だ。企業にはWindowsが浸透しており、ビジネスユーザーにとっは魅力的な機能になりそうだ。
“青天のへきれき”と見えるPalmとMicrosoftの提携も、実は水面下で長い交渉があったという。米The New York Times紙は、Gates会長の話として、両社が競合から協力へ関係を改善することを決定したのは2年以上前だったと伝えている。Palm創業者のJeff Hawkins氏が協議のためにMicrosoftを訪れたことから始まったという。