Wineは「WINE Is Not an Emulator」の略で、GNU(GNU is Not UNIX)と同様、再帰的な略による名称だ。その歴史は古く、1993年にさかのぼる。Windows 3.1アプリケーションをUNIXで動かすことを目的に始まり、スイスのAlexandre Julliard氏がプロジェクトの調整役を務めている。
Wine Projectは、バージョン0.9の段階でコアのアーキテクチャ開発はほぼ完了したと述べている。バージョン0.9の主な特徴は、設定ツールの「winecfg」を完成させ、開発者はアプリケーション設定と初期化のためのファイルを作成する必要がなくなった。また、DLL(Dynamic Link Libraries)をフルで装備し、MicrosoftのDLLのダウンロードが不要になった。このほか、インストーラーをサポートし、Windowsアプリケーションの多くでスムーズにインストール作業ができるという。