ランキングで振り返る、2009年のエンタープライズ業界動向(7~9月)


 Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。

 今回は、7月から9月までのランキングを紹介する。


【7月】Windows 7の発売日が決定

 なんと1~5位までをWindows・Officeに関する記事が占めた。特に前評判の高いWindows 7の発売日や価格に関する記事は圧倒的な注目度だった。Office 2010に関しては、11月のベータ版提供開始のニュースも上位にランクインしており、読者の高い関心が見て取れる。

 マイクロソフト以外のニュースでは、クレイのパーソナル・スーパーコンピュータ(スパコン)のニュースが10位に入っている。「クレイのスパコンが150万円」というインパクトで、高い注目を集めたようだ。スパコンとはいってもXeonベースの製品ではあるのだが。

 ランク外ではあるが、地道な活動としてNECのエコ活動記事が12位に入っている。製品そのものの省エネ化のほか、サービスによる省エネ化により、自社で排出するCO2の相殺をめざすNECだが、その活動が順調であると発表された。日本は国際的に見てもエコ活動の進んでいる国だが、その分、民主党の掲げる目標を達成するためには、今後、絞りに絞ったぞうきんをさらに絞るようなツラい活動が必要となってくる。NECのように努力している企業が報われるような仕組みを望まずにはいられない。

順位記事名掲載日
1Windows 7日本語版は10月22日に発売-RTMは7月最終週に07/07
2Windows 7日本語版のパッケージ価格を発表-優待アップグレードも開始06/26
3Windows 7の法人向けボリュームライセンスは9月1日に07/27
4米Microsoft、「Office 2010」技術プレビュー版を発表07/14
5Windows 7のボリュームライセンスは9月1日発売07/15
6日立、日立情報や日立ソフトなど上場5社を完全子会社化07/28
7テクマトリックス、ソースコード解析ツールの日本語版を提供07/02
8キヤノン、オフィス向け複合機の新ブランド「imageRUNNER ADVANCE」07/13
9MS、7月の月例パッチはWindows関連の“緊急”3件を含む計6件07/10
10クレイ、150万円から購入可能なスーパーコンピュータ「Cray CX1-LC」07/17

【8月】ボリュームライセンスでWindows 7の提供開始

 コンシューマユーザーは対象外だが、Windows 7が入手可能になったのが8月。当然のように、開発者向け、ボリュームライセンスユーザー向けの提供開始を報じた記事が、ベスト5のうち3つを占めた。

 またHDDデータ遠隔消去機能「CLEARSURE」搭載ノートPCの記事が6位に入った。これは、5月の9位「『ノートPCを再びモバイルの世界へ』、富士通がHDDデータの遠隔消去サービスを発表」で報じられた機能を備えた最初の製品。多くの企業が情報漏えいに気を配っているだけに、それを実現するものの1つとして、読者の関心も高かったのだろう。

順位記事名掲載日
1Windows 7日本語版は8月12日に前倒して公開-MSDN・TechNetで提供08/11
2マイクロソフト、Office 2007 SP2の自動更新での提供を9月22日より開始08/21
3日立、横浜の新・環境配慮型データセンター訪問記08/07
4Windows 7 RTM版がMSDN・Technetで提供開始、まずは英語版から08/07
5マイクロソフト、ボリュームライセンスユーザー向けに日本語版Windows 7を提供開始08/10
6富士通、HDDデータの遠隔消去機能「CLEARSURE」搭載ノートPC08/24
7マイクロソフトなど、ISMSテンプレートを無償公開08/11
8MSが8月の月例パッチ9件を公開、ATL使用アプリなどを修正08/12
9日本HP、128GB SSD搭載のミニノートPC「HP Mini 5101」08/27
10無料のグループカレンダー「feedpath Calendar」の使い勝手をみる08/11

【9月】Windows 7への移行方法を紹介した記事がトップに

 コンシューマユーザーに先行して企業向けに提供を開始したWindows 7。企業を対象としたWindows 7の記事が上位を占めた。Windows 7ほど、ボリュームライセンスやSAといった購入形態に注目が集まったOSは初めてではないだろうか。

 また、手軽に利用できるということもあってか、比較的低価格なNASの記事は上位にランクインすることも多い。4月の4位に続き、今月も3位にバッファローのNAS製品が入った。ストレージ関連全体でも関心は高く、ランク外の18位には、SSDを利用したアダプテックのソリューションが登場している。

 6位には「ウイルスバスター2010」がランクイン。ランク外だが13位には「ノートン 2010」が入っている。ウイルス対策ソフトもパターンファイルをWeb上に移すなど、「クラウド」が重要なキーワードとなった。

順位記事名掲載日
1マイクロソフト、Windows 7への“正しい”移行方法を紹介09/11
2Windows 7は企業にとっても“わくわく感”が得られるOS09/18
3バッファロー、2TB/4TBのWSS 2003 R2搭載NAS-RAID 5に対応09/02
4日本HP、最大192GBのメモリを搭載したハイエンドワークステーション「Z800」09/07
5マイクロソフト、Windows 7の法人向けライセンス販売を開始09/01
6Mac版を同梱した「ウイルスバスター2010」、Windows 7にも対応09/02
7「Microsoftの手の内はすべてわかっている」米VMwareニールセンCOO09/04
8「Microsoft Office Web Apps」プレビュー版、限定公開開始09/18
9米Intel、IDFで「Nehalem-EX」を使用したサーバーをデモ09/25
10インテル、エントリーサーバー向けのクアッドコアCPU「Xeon 3400番台」09/08



(編集部)

2009/12/24/ 12:00