ランキングで振り返る、2009年のエンタープライズ業界動向(4~6月)
Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。
今回は、4月から6月までのランキングを紹介する。
■【4月】OracleによるSun買収が2位にランクイン
OracleによるSun買収を報じた記事が2位にランクイン。Sunについては、IBMが買収を検討しているというニュースが流れ、それに関してDellのマイケル・デルCEOがコメントした記事が3月の11位に入るなど、常に注目を集めていた。今後の方針についてさまざまな憶測が飛び交ったが、中でも一番憂慮されたのがMySQLの行方だ。この件について長らく沈黙を守ったOracleだったが、12月には、EUに懸念に応えて「10の約束」を発表。一定の評価を受けたと報じられた。
3位は、富士通研が開発したデータを自動消去するUSBメモリの記事。データの漏えいは現在も企業のIT管理者を悩ます大きな課題であり、それを解決できるかもしれない技術ということもあって、高い関心が寄せられたようだ。
■【5月】MP向けプロセッサ「Nehalem-EX」がトップ
Windows 7に劣らず、注目が集まったのがマルチコアCPUのニュースだ。トップになったのは、マルチプロセッサシステム向けの「Nehalem-EX」。RAS(信頼性、可用性、保守性)機能を拡張するなど、ミッションクリティカル向けのパワフルなシステムを構成する核となるプロセッサとして、2010年にも登場する予定だ。
2位には、ぷらっとホームの超小型Linuxサーバー「OpenBlockS 600」が入った。OpenBlockSはさまざまな分野で活用されている超小型サーバーで、おもしろさだけでなく、実際の利用例が豊富な実用的な製品ということもあって、広く読まれたようだ。
9位には富士通のHDDデータ遠隔消去サービスの記事がランクインしている。4月のCPU内蔵USBメモリもそうだが、仮想化・クラウド・新OSなどの主要トレンドの中で、「情報漏えい」も間違いなく根強いキーワードであった。
ちなみに、5月のWindows 7はRCが公開された。
■【6月】Windows 7の価格決定
Windows 7の価格を伝える日米のニュースが1位と4位に入った。Windows 7がポストWindows XPに目され、導入を真剣に検討する人も多かっただけに、価格については特に関心が集まったのだろう。
8位には、AMDの6コアOpteronがランクイン。5月のNehalem-EXといい、マルチコアCPUへの関心は非常に高いという印象を受けた。
なお、ランク外だが、Interop 2009で展示されていた次世代Ethernet製品を報じる記事が14位に入っている。順調にいけば2010年には規格化が終了する予定で、来年のInteropでは、さらに多くの製品が登場してくるのではないだろうか。
2009/12/22/ 12:00