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ランキングで振り返る、2004年のエンタープライズ業界動向(1~3月)




 Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。

 1回目は、1月から3月のニュースを紹介する。


【1月】マイクロソフト関連の記事が上位に

 1位は、PCプリインストール用Officeの上位バージョンも選択できる新ライセンスの記事に注目が集まった。また、Blasterワーム除去プログラムの無償提供やWindows 98/98 SE/Meのサポート期間の延長など、マイクロソフト関連の記事がランクインしている。

 そのほか、ソースネクストによるサンの「StarSuite」の1980円販売にも注目が集まった。ソースネクストの法人向けソフト発売は、後にオラクルのJava統合開発環境やIBMのDB2開発ソフトが1980円で発売されるなど開発ソフトの価格にも影響を与えることにつながった。

順位記事名掲載日
1ソフトウェア マイクロソフト、Officeの上位バージョンをプリインストール可能なライセンス形式を発表1/19
2ハードウェア ロジテック、サーバー監視用途向けの小型液晶ディスプレイを発表1/7
3セキュリティ 米Microsoft、Blasterワーム除去プログラムの無償ダウンロード提供1/8
4ハードウェア アップル、PowerPC G5を搭載した「Xserve G5」を3月下旬に発売1/7
5トピック PCメーカー7社、2004年の販売施策を公表1/23
6ソフトウェア ソースネクスト、サンの統合オフィスソフトを1,980円で販売1/15
7ソフトウェア マイクロソフト、Windows 98/98 SE/Meのサポート期間を2006年6月30日まで延長1/15
8トピック オラクル社員犬ウェンディ、満1歳の誕生日1/6
9セキュリティ メール添付ウイルス「WORM_MIMAIL.R」が流行中1/27
10海外 OSDL、米SCOの訴訟でLinuxユーザーの支援基金を設立1/13


【2月】WindowsとLinuxの新バージョンが1位・2位を独占

 9月に正式公開されたWindows XP SP2のセキュリティ機能の記事が1位を獲得。2位には前年の12月に公開されたLinux Kernel 2.6の新機能解説記事がランクインするなど、両OSの最新動向に注目が集まった。また、デルのWindows 2000 ProfessionalへのダウングレードPCの記事も上位にランクインした。1月もそうだが、旧OS関連の情報は注目を集めるケースが多いようだ。

 そのほか、Opteronの広まりはサーバー・ワークステーションベンダーにとって2004年の中で最もインパクトのある話題だったかもしれない。AMDは発表会を開くたびにコメントが強気になっていくのが印象的だった。

順位記事名掲載日
1海外 米Microsoft、Windows XP SP2などの新セキュリティ機能を発表2/25
2ソフトウェア OSDLジャパン、Linux Kernel 2.6の新機能を解説2/5
3ハードウェア デル、Windows 2000 ProfessionalにダウングレードしたPCを期間限定で販売2/23
4トピック 米Dell・デルCEO、ロリンズCOO、Dellの強さの源泉を語る2/20
5ハードウェア ビジュアルテクノロジー、128万円のOpteron搭載4Wayワークステーション2/6
6ハードウェア サン、UltraSPARC IVを搭載したエンタープライズサーバーを発売2/16
7海外 米司法省、PeopleSoft買収阻止でOracleを提訴2/27
8海外 Microsoft Office対抗の中国産オフィスソフトが米国上陸2/18
9トピック 日本IBM、2年連続の減収減益に2/26
10海外 人気Webサイトの4割がIISを利用2/6


【3月】サンの強気の戦略発表に注目が集まる

 サン節がさく裂した記者会見の記事が1位に。最近、こうした強気のコメントが少なくなっているので来年に期待したい。また、Linux陣営に対し、UNIX技術の著作権侵害を訴えた一連の米SCOによる訴訟劇(5位、9位)にも関心が集まった。XP SP2のセキュリティ関連の情報が積極的に公開されはじめたのもこの時期。セキュリティ関連イベントでの古川氏などの講演記事などにも注目が集まった。

 そのほか、「インターネット電話のダークサイドを検証」が2位にランクイン。さまざまなメリットから、IP(インターネット)電話には注目が集まっているが、気が付いていないだけで落とし穴もまたたくさんある、という視点をあわせて持っておく必要があるだろう。年間ランキングには反映されていないが、10月22日付の特集「意外な盲点? アプリケーションを踏み台にしたソフトフォンのウイルス感染」とあわせてお読みいただくと、より効果的だ。

順位記事名掲載日
1トピック サン、AMDと提携後のx86市場戦略を公表「Itaniumを選択する理由はなくなる」3/19
2ネットワーク インターネット電話のダークサイドを検証3/26
3トピック マイクロソフト古川氏、Windows XP SP2やSUS 2.0のセキュアな機能を紹介3/9
4トピック マイクロソフト東氏「何層もの防壁で攻撃に耐える多層防御の考えが必要」3/9
5海外 米SCO、Linuxユーザー企業訴訟を開始、DaimlerChryslerらが標的3/4
6トピック 「ユーザーはこんなところに無頓着」ITベンダの3氏がユーザーに望むこと3/16
7トピック ターボリナックス矢野社長「100%国産を武器にRed Hatに対抗していく」3/26
8トピック NEC、ストレージ市場で急成長の理由は「技術を発揮できるから」3/11
9海外 SCO、初めてLinuxのIPライセンス企業名を公表3/2
10海外 逆襲型セキュリティソフト、ベンチャーが開発3/11



( 編集部 )
2004/12/20 17:04

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