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ランキングで振り返る、2004年のエンタープライズ業界動向(4~6月)


 Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。

 2回目は、4月から6月のニュースを紹介する。


【4月】RISCリプレースというItanium戦略が1位に

 米IntelのItanium戦略は“RISCリプレース”。NEC、富士通といった国内ベンダーのメインフレームでの採用も広がり、米Intelの基本戦略である“コモディティ化によるコストメリット”も実現へと向かっているようにみえる。なお、10位に入った「公取委による立ち入り調査」は同じ日のニュース。このあたり、狙ったとしか思えないタイミングの良さだった。

 そのほか、クライアント向けバーチャルマシン(VM)ソフトの「Virtual PC」にも関心が集まった。前年にはEMCによるVMware買収など、エンタープライズでのVMソフトの関心が高まっているが、クライアント向けとしても注目されているようだ。

順位記事名掲載日
1トピック 米Intel・マルホトラ氏「Itanium 2とXeonは互いを補完する」4/8
2ソフトウェア マイクロソフト、複数のOSを仮想的に動作させる「Virtual PC」の最新版を5月より発売4/19
3セキュリティ MS04-011の脆弱性を突くコードがインターネット上に流出4/26
4トピック 富士通、2003年度決算は増収増益で黒字転換4/27
5ハードウェア 沖データ、「他社より4倍速い」A4カラーページプリンタなどを発売4/16
6ハードウェア 日本IBM、「ThinkPad Rシリーズ」の新製品3機種36モデルを発売4/15
7セキュリティ マイクロソフト、SSLの脆弱性などに対応する「緊急」の修正プログラムを公開4/14
8トピック AMD秋山氏、「AMD64テクノロジは“自然な進化”の結果」4/23
9海外 Microsoftが初のオープンソースソフトを発表4/7
10トピック 公取委、インテルに立ち入り調査4/8


【5月】脆弱性の調査ツール「MBSA 1.2」が上位にランクイン

 マイクロソフトの脆弱性分析ツール「MBSA 1.2」の無償配布が3位にランクイン。ネットワーク内に存在するPCの修正プログラムの適用状況を調査するツールだが、やはり関心が高かった。オープンソース関連も定番の1つ。Linux関連が3つランクインしているが、それだけでなくOpenOffice.orgにも注目している読者は多いようだ。

 マイクロソフトのサポート延長(6位)の影には、次期OS“Longhorn”リリースの遅れも見え隠れするが、マイクロソフトによれば「特に国内では安定環境の長期間利用を望むニーズが大きい」とのことで、日本法人による米国本社への働きかけの成果ともいえる。現状の各製品のサポート期間については、「米Microsoft、ビジネス・開発向け製品のサポートポリシーを改訂」を参照してほしい。

順位記事名掲載日
1セキュリティ MS04-011を適用するとWindows 2000が動かなくなるおそれ4/30
2ソフトウェア フリーのオフィススイート「OpenOffice.org 1.1.1日本語版」が公開5/21
3セキュリティ マイクロソフト、脆弱性の調査分析ツール「MBSA 1.2」正式版の無償配布を開始5/25
4トピック マイクロソフト北川氏、「Linuxは無料ではないことを理解してほしい」5/17
5トピック 「iPodだけじゃない」HPC分野で利用が広まるアップル5/13
6トピック マイクロソフト、ビジネス向け製品のサポート期間を延長5/26
7海外 「LinuxはTorvalds氏の発明とは言えない」―米調査会社5/18
8セキュリティ 「Blaster級のトラフィックが発生する可能性も」、シマンテックが注意を呼びかけるSasserワーム5/6
9ソフトウェア サン、Linuxベースの統合デスクトップ環境「Java Desktop System」を発売5/18
10セキュリティ シマンテック、「インストールしただけでSasserを防ぐ」クライアントセキュリティソフト5/11


【6月】オラクルの開発ソフトがソースネクストより1980円で販売

 1位はソースネクストの1980円ビジネスソフト。2月にサンのStarSuiteを1980円で販売すると発表した同社が、今度はオラクルの開発ソフトで1980円を実現した。ソースネクストは6月の発表時に、個人・法人向けを含めて「2005年3月までに100タイトル」を予定していたが、すでに12月には236タイトルを製品化、さらに「2006年度までに、1000タイトル」へと上方修正した。その多くは個人向け製品が占めるが、開発ツールやオフィススイートなど企業でも使える製品のラインアップも徐々に拡大している。今後、予想もしなかった“あのソフト”が1980円で店頭に並ぶ可能性がある。

 また、マイクロソフトのVirtual Serverの「驚くほど安い価格」で提供するという記事(4位)にも注目が集まった。ちなみに12月に発売されたパッケージ版の推定小売価格はStandard Editionが99,800円だった。

順位記事名掲載日
1ソフトウェア ソースネクスト、“1,980円戦略”で法人市場に殴り込み6/17
2ソフトウェア マイクロソフト、Windows XP SP2 RC2の配布を開始6/21
3セキュリティ マイクロソフト、DirectXに含まれるDirectPlayの脆弱性修正プログラム6/9
4トピック マイクロソフトのサーバー用VMは「驚くほど安い価格」で年内に登場6/3
5セキュリティ 元Windows開発チームが手がけたパッチ配布ツール、ネットワールドから発売6/16
6ハードウェア NEC、Pentium 4 550を搭載したビジネス向けデスクトップPC6/22
7トピック 富士通と米Sun、次期SPARC/Solarisサーバーを共同開発6/2
8トピック WindowsとLinux、それぞれの脆弱性への対応は?6/1
9ハードウェア デル、最新チップセットを搭載したデスクトップPCを発売6/22
10セキュリティ シマンテック、ウイルス定義ファイル作りの裏側を公開6/22



( 編集部 )
2004/12/21 13:31

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