Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。
2回目は、4月から6月のニュースを紹介する。
■ 【4月】RISCリプレースというItanium戦略が1位に
米IntelのItanium戦略は“RISCリプレース”。NEC、富士通といった国内ベンダーのメインフレームでの採用も広がり、米Intelの基本戦略である“コモディティ化によるコストメリット”も実現へと向かっているようにみえる。なお、10位に入った「公取委による立ち入り調査」は同じ日のニュース。このあたり、狙ったとしか思えないタイミングの良さだった。
そのほか、クライアント向けバーチャルマシン(VM)ソフトの「Virtual PC」にも関心が集まった。前年にはEMCによるVMware買収など、エンタープライズでのVMソフトの関心が高まっているが、クライアント向けとしても注目されているようだ。
■ 【5月】脆弱性の調査ツール「MBSA 1.2」が上位にランクイン
マイクロソフトの脆弱性分析ツール「MBSA 1.2」の無償配布が3位にランクイン。ネットワーク内に存在するPCの修正プログラムの適用状況を調査するツールだが、やはり関心が高かった。オープンソース関連も定番の1つ。Linux関連が3つランクインしているが、それだけでなくOpenOffice.orgにも注目している読者は多いようだ。
マイクロソフトのサポート延長(6位)の影には、次期OS“Longhorn”リリースの遅れも見え隠れするが、マイクロソフトによれば「特に国内では安定環境の長期間利用を望むニーズが大きい」とのことで、日本法人による米国本社への働きかけの成果ともいえる。現状の各製品のサポート期間については、「米Microsoft、ビジネス・開発向け製品のサポートポリシーを改訂」を参照してほしい。
■ 【6月】オラクルの開発ソフトがソースネクストより1980円で販売
1位はソースネクストの1980円ビジネスソフト。2月にサンのStarSuiteを1980円で販売すると発表した同社が、今度はオラクルの開発ソフトで1980円を実現した。ソースネクストは6月の発表時に、個人・法人向けを含めて「2005年3月までに100タイトル」を予定していたが、すでに12月には236タイトルを製品化、さらに「2006年度までに、1000タイトル」へと上方修正した。その多くは個人向け製品が占めるが、開発ツールやオフィススイートなど企業でも使える製品のラインアップも徐々に拡大している。今後、予想もしなかった“あのソフト”が1980円で店頭に並ぶ可能性がある。
また、マイクロソフトのVirtual Serverの「驚くほど安い価格」で提供するという記事(4位)にも注目が集まった。ちなみに12月に発売されたパッケージ版の推定小売価格はStandard Editionが99,800円だった。
( 編集部 )
2004/12/21 13:31
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