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ランキングで振り返る、2008年のエンタープライズ業界動向(9~12月)


 Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。

 今回は、9月から12月までのランキングを紹介する。


【9月】エンタープライズでもネットブックに関心が集まる

 今月は、1位と3位にネットブックの記事がランクインした。企業向けのソリューションはまだほとんど登場していないが、うまく使えば単体でもコストダウンに貢献できる製品だけに、高い注目を集めている。

 4位には、先ごろ正式版が登場したGoogleのWebブラウザ「Chrome」のベータ版公開を報じた記事がランクイン。SaaSやクラウドサービスが提供されるにしたがってWebブラウザの重要性が増しているだけに、読者の関心は高いようだ。

 そのほか、Hyper-V Server 2008の無償化も注目を集めた。マイクロソフトのほか、VMwareやシトリックスもサーバー仮想化製品の無償版を提供するなど、仮想化への関心が高まった時期でもあった。

順位 記事名 掲載日
1ハードウェア デル、Atom搭載で約1kgのミニノート-Ubuntu採用で5万円を切るモデルも9/5
2ハードウェア デル、1kgを切る「Latitude E4200」など企業向けノートPCを一新9/2
3ハードウェア 東芝、7万円台のAtom搭載ネットブック「NB100」9/29
4海外 米Google、独自Webブラウザ「Google Chrome」を開発、2日にβ版公開9/2
5ハードウェア インテル、初の6コアプロセッサ「Xeon 7400番台」を発表9/16
6トピック ターボリナックス、Windows混在環境でのSSO実現へ-年内にもβ版投入9/22
7海外 米Microsoft、Hyper-V Server 2008の無償化を発表9/9
8トピック IDF 2008で見たIntelの仮想化対応策9/5
9トピック 米VMwareが次世代製品群を発表-データセンター全体を仮想OS化9/17
10ソフトウェア ライブドア、インターネットサーバーの死活監視サービスを無償提供9/8


【10月】Office 14&Windows 7に注目が集まる

 次期Microsoft Office製品であるOffice 14と、次期クライアントOSのWindows 7がワンツーを決めたほか、Windows 7の記事は4位にもランクイン。業界の動向を左右するマイクロソフトの次期主力製品に関する記事は、常に高い注目を集めている。

 また、ネット上でのサービスを開発・提供するためのクラウドOS、Windows Azureに関する記事が5位に登場した。次世代の技術として注目されるクラウドは、読者の関心も高いのだろう。

 ハードウェア関連では、レノボの「ThinkPad X200s」が3位、富士通の「FMVシリーズ」一新についてが8位、日本HPの大企業向けノートPCブランド「HP EliteBook」が10位と注目を集めた。

順位 記事名 掲載日
1ソフトウェア 米Microsoft、Webアプリケーション化した「Office 14」を初披露10/30
2ソフトウェア スクリーンショットでみるWindows 710/29
3ハードウェア レノボ、1.1kgの軽量ノートPC「ThinkPad X200s」-最長13.6時間のバッテリ駆動を実現10/10
4海外 米Microsoftが「Windows 7」のプレベータを配布、正式ベータは来年初め10/29
5ソフトウェア 米Microsoft、クラウドインフラ「Windows Azure」を発表10/28
6セキュリティ マイクロソフト、修正パッチ「MS08-067」を緊急リリース10/24
7ソフトウェア アクト・ツー、MacでWindowsアプリをシームレスに利用できる「VMware Fusion 2」10/17
8ハードウェア 富士通が企業向けPC「FMVシリーズ」を一新、省エネ性を追求10/23
9ソフトウェア マイクロソフト、企業内システムでも使える「Silverlight 2」10/10
10ハードウェア 日本HP、大企業向けノートPCの新ブランド「HP EliteBook」10/2


【11月】SSD搭載で軽量化したNECのモバイルノートPCがトップ

 1位は12月に発表されたNECのモバイルノートPC。2008年はSSDに高い関心が集まった年でもあった。その流れからか、オントラックデータの復旧ラボのレポートが2位にランクイン。破損HDDからデータを回収する技術に注目が集まった。

 セキュリティ面では、暗号の2010年問題の記事が3位に。現在、多く利用されている暗号化技術が2010年以降非推奨となることから、新技術移行への手間が問題視されている。また、カード業界ではPCI DSSというセキュリティ基準に動きが見られた。11月には、ビザから大手のカード加盟店にPCI DSS準拠を義務づける旨も発表され、2009年以降、カード業界の動きが活発になることが予想される。

 また、アダプテックのインターフェイスカードの記事が4位にランクインしたが、同社のカードについては、3月も3位にランクインするなど、注目を集めることが多かった。SAS/SATAをサポートする独自の技術を盛り込んでいるほか、省エネ対応のバージョンアップを行うなど、同社では精力的に新機能を提供している。以前より目にする機会が減ったとはいえ、読者にとってはまだまだ気になるメーカー、ということなのだろう。

順位 記事名 掲載日
1ハードウェア NEC、次期モバイルPCをiEXPOで参考展示-SSD搭載で860gの軽量化を目指す11/14
2トピック 「破損HDDからデータを回収」オントラックデータ復旧ラボ見学記11/5
3トピック 間近に迫る「暗号の2010年問題」、企業が取るべき対応は?-RSAセキュリティ11/20
4ハードウェア アダプテック、SATA/SASをサポートするRAID非対応の廉価版アダプタカード11/12
5ソフトウェア Windows上にLinuxをエミュレートしてシンクライアント化する「vROM」11/28
6ハードウェア インテル、新マイクロアーキテクチャのCPU「Core i7」を正式発表11/18
7ハードウェア 日本AMD、45nmクアッドコアOpteron「Shanghai」を発表11/13
8トピック パナソニックはなぜ医療PC分野に乗り出すのか? AVCネットワークス社 伊藤副社長に聞く11/7
9セキュリティ パターンファイルを雲の上へ、トレンドマイクロが新技術基盤を発表11/12
10ソフトウェア NECなど、超小型モバイルサーバーを活用した「現場可視化ソリューション」11/7


【12月】まだまだWindows XPに関心が集まる

 マイクロソフトの思惑に反して、数々の問題からWindows Vistaの普及が遅れており、Windows XPへのニーズはまだまだ高い。2位にランクインした、システムビルダー向けライセンスの再度延長を報じる記事が注目されているのも、そうした背景からだろう。

 一方で3位には、Windowsのシェアが90%割れしたという記事がランクイン。代わりにiPhoneのTVコマーシャルなど積極的なマーケティングを展開したAppleのMacがじわりとシェアを伸ばしている。

 また、ぷらっとホームが開発したサーバーの記事が4位に入っている。1つの筐体には収納されるものの、完全に独立して運用される高密度サーバーで、ブレードサーバーやラック型サーバーのすき間を埋める役割を担っている。さまざまなデータセンターの形態が誕生する中で、サーバーに対するニーズが多様化していることも、こうした記事が注目される理由の1つといえるのではないか。

順位 記事名 掲載日
1ハードウェア NEC、Core 2 Duo搭載のファクトリコンピュータ新モデル12/8
2海外 米Microsoft、Windows XPのシステム・ビルダー向けライセンスを再度延長12/24
3海外 Windowsのシェアが初の90%割れ、IEも70%切る-米Net Applications調べ12/3
4ハードウェア NEC、最軽量約868gの「UltraLite」モバイルノートPC新製品12/10
5ハードウェア ぷらっとホーム、4Uに10台収納できる「完全独立型」の高密度サーバー12/4
6トピック NECフィールディング、補修用部品が常にある物流拠点「あるパーツ川崎」を公開12/5
7ソフトウェア オフラインでも仮想マシンが使えるデスクトップ仮想化製品「VMware View 3」12/3
8ハードウェア 日本HP、最大820TBのリッチコンテンツ向け超大容量ストレージ12/10
9トピック 青山学院、15万人規模でマイクロソフトのオンラインサービスを利用へ12/1
10トピック 国際間ブロードバンド通信インフラの立役者“海底ケーブル”に注目12/8



( 編集部 )
2008/12/26 11:49

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