Enterprise Watch
バックナンバー

ランキングで振り返る、2004年のエンタープライズ業界動向(10~12月)


 Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。

 最終回である4回目は、10月から12月のニュースを紹介する。


【10月】スーパーコンピュータ、メインフレームが上位にランクイン

 NECのスーパーコンピュータが3位、メインフレームが4位と、大型コンピュータの記事が上位にランクイン。特にスーパーコンピュータはこの時期、NECの地球シミュレータとIBMのBlueGeneとのトップ争いが話題となっていただけに、ホットなニュースとして注目されたのではないか。1位の記事は、10月22日付の特集「意外な盲点? アプリケーションを踏み台にしたソフトフォンのウイルス感染」とあわせて読まれた方も多いようだ。

順位記事名掲載日
1トピック “落とし穴がたくさんある”IP電話、失敗しないための要素とは?10/25
2ハードウェア 日本IBM、セキュリティチップを搭載したデスクトップPCのエントリーモデル10/19
3ハードウェア NEC、1秒間に65兆回の演算ができる“世界最高性能”スーパーコンピュータ10/20
4ハードウェア NEC、Itanium 2搭載メインフレームを発表、「WindowsやLinuxの同時稼働が可能」10/7
5セキュリティ IEに含まれる累積的な問題に対応した「緊急」の修正プログラム10/13
6トピック 日中の標準Linux開発プロジェクト“Asianux”に韓国企業が参加10/26
7ネットワーク 日本発のルータは世界に羽ばたけるか?NECと日立の合弁会社「アラクサラ」営業開始10/1
8トピック 富士通、4年ぶりに営業利益が黒字に-2004年度中間期連結決算10/28
9トピック Longhornがなくても順調?マイクロソフトの2005年度ビジネス方針9/30
10ハードウェア 「10億通のメールを3秒で検索する」、日本HPの新ストレージシステム10/7


【11月】マイクロソフトのVirtual Serverが1位に

 マイクロソフトのVirtual Serverが1位に。春から少しずつアナウンスされていたこともあり、読者の注目は非常に高かった。また、7位にはVMwareのネットワーク向け製品がランクインしている。仮想サーバー技術を活用すれば、平均で15%程度といわれるサーバーのCPUリソースを有効活用でき、開発テスト環境の容易な構築やサーバー統合による運用コスト削減も可能とあり、読者の注目を集めたようだ。

 そのほか米Microsoftと米Novellの和解(5位)と米Novellによる米Microsoft提訴(8位)の双方がランクインしているのも、おもしろい。和解したのはNetWare、提訴したのはWordPerfectと、どちらも懐かしい製品であるのが興味深かった。

順位記事名掲載日
1ソフトウェア マイクロソフト、「Virtual Server 2005 日本語版」を12月1日より発売11/24
2トピック 「トヨタ方式を採用した」NECのコンピュータ機器生産拠点11/19
3海外 米Sun、Solaris 10発表、商利用でも無償提供11/16
4トピック 「予想以上にオンライン詐欺がまん延し始めている」-シマンテック調査11/19
5海外 米Microsoftと米Novellが和解-Microsoftが5億3600万ドルを支払い11/9
6ハードウェア デル、省スペース筐体を採用した5万円台のデスクトップPC11/18
7ソフトウェア VMwareの最新版、「セキュアなネットワーク環境構築が目的」11/9
8海外 米Novell、「WordPerfect」に関する反トラスト法違反で米Microsoftを提訴11/15
9トピック ライブドア、弥生を完全子会社化11/9
10トピック iSeries生みの親が語る、POWERプロセッサがまだまだ進化できる理由11/8


【12月】無償提供を発表したSolaris 10に注目が集まる

 1位は富士通の工場訪問記事。PC Watchなどでも工場訪問の記事はよく読まれており、同様に高いアクセスがあった。2位にはSolaris 10がランクイン。数ある新機能のほかにオープンソース化やライセンス価格の撤廃などの変革がなされており、リリース後にユーザーがどのような反応を見せるか、2005年の大きな見所の一つだろう。

 そのほか、米Symantecと米VERITASの合併のニュース(9位)や米Oracleによる米PeopleSoft買収など、大型買収案件が相次いだ。ただ、OracleのPeopleSoft買収は昨年から話題となっていたためか、いざ買収決定となったニュースへのアクセスはおもったほど高くはなかったのが印象的だった。

順位記事名掲載日
1トピック 富士通のサーバーの生産拠点、富士通ITプロダクツを行く12/1
2ソフトウェア Solaris 10が正式発表、Red HatなどLinuxを強く意識11/30
3トピック 富士通黒川社長、IBMのPC事業売却を、「前々から思っていた」12/9
4ハードウェア 1Uスペースに2台入るPentium M搭載ラックサーバー12/10
5セキュリティ マイクロソフト、Internet Explorerの脆弱性に対応した“緊急”の更新プログラム12/2
6トピック NEC、ソフト・サービス事業を再編12/2
7ソフトウェア 一太郎やATOKなどの最新版、2005年2月に一斉発売12/7
8ネットワーク SoftEther次期バージョンのベータ版、ダウンロード提供開始12/17
9海外 米Symantec、約135億ドルで米VERITASを買収12/17
10ソフトウェア アドビ、起動が高速化したAcrobat 7.0を1月より発売12/1



( 編集部 )
2004/12/27 13:42

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.