Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。
今回は、1月から4月までのランキングを紹介する。
■ 【1月】レノボのワークステーションがトップに
1月のトップは、レノボのThinkStationに関する記事。IBMとは関係なくゼロからレノボが開発した新製品で、「2008年を飛躍の年」とするレノボにとって足がかりとなる製品となった。
3位には、日本HPの新形態ブレードサーバー筐体がランクイン。ブレードなのにタワー型という斬新なアイデアが話題に。中小企業でブレードサーバーを導入する敷居を下げ、同分野のすそ野を広げることに大きく貢献する製品となった。
そのほか、米SunによるMySQLの買収が5位にランクイン。実はこの記事が掲載された17日には、米Oracleによる米BEA買収の記事も掲載されたいたのだが、前々から動きのあったBEA買収よりも、“不意打ち”だったこちらの方に読者の関心がより集まっていたようだ。
■ 【2月】Windows Server 2008に注目が集まる
Windows Server 2008 RTMを伝えた記事が2位にランクイン。仮想化技術のHyper-V、検疫ネットワーク技術のNAPをはじめ、さまざまな新機能が盛り込まれたこのサーバーOSには高い関心を集めており、連載「Windows Server 2008研究所」も毎回注目されている。
3位に入ったのは、米AdobeのAIRリリースに関する記事。国内でもお披露目会が開催され、バースディケーキでお祝いする記事が8位に入った。マイクロソフトのSilverlightにアドビが参戦し、RIA(Rich Internet Application)市場はいよいよ白熱している。
また、NECの四半期決算を報じた記事が4位に、同社の矢野社長が経営方針を語った記事が10位に、それぞれランクインした。日本を代表するIT企業ということで、読者の関心が高かったのだろう。
■ 【3月】Office LiveやVista SP1、Hyper-Vなどマイクロソフト関連が上位に
前月に続き、Windows Server 2008関連の記事が注目を浴びる中で1位になったのは、オンラインサービス「Office Live」の正式サービス開始を伝えるニュース。SaaSが一般化した2008年のIT環境において、ソフトウェア+サービス戦略を伝えるマイクロソフトのオンラインサービスがどう展開するのかは、とても気になるところだろう。
そのほか、「Windows Vista SP1の配布開始」「Windows Server 2008の評価版公開」「Hyper-VのRC公開」「脆弱性」と、マイクロソフト関連の記事に色濃く染まったのが3月。一方で、Windows Vistaの企業導入はなかなか進まず、早くも一段飛ばしで時期OSに期待する雰囲気が立ちこめ始めていた。
■ 【4月】Windows Server 2008&Vista SP1に関心が集まる
トップ10のうち6つと、4月も引き続きマイクロソフトの話題が多かった。3月の新製品・サービスリリースに伴う、プロモーションの記事がランクインしているあたり、マーケティング巧者としてのマイクロソフトの顔がうかがえる。
日本HPの中小企業向けブレードサーバーの記事が10位に。ブレードサーバーも一般化が進み、据え置き型の筐体が提供されるなど、導入しやすい環境がどんどんと整備されている。以前のような興味本位ではなく、真剣に導入を考えるフェーズに変わってきているのを感じる。
ランク外だが15位には、インテルのAtomプロセッサに関する記事が入っている。MID向けにリリースされた同プロセッサが、このあと、ネットブックという一大市場を切り開くことになる。
( 編集部 )
2008/12/24 10:44
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