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ランキングで振り返る、2008年のエンタープライズ業界動向(1~4月)


 Enterprise Watchで今年一年間掲載した記事の中から、アクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出して紹介する。個人ユーザーでも関心が持てる記事へのアクセスが高くなりがちではあるが、ランキングを通じて業界全体の動きを振り返ってみる。

 今回は、1月から4月までのランキングを紹介する。


【1月】レノボのワークステーションがトップに

 1月のトップは、レノボのThinkStationに関する記事。IBMとは関係なくゼロからレノボが開発した新製品で、「2008年を飛躍の年」とするレノボにとって足がかりとなる製品となった。

 3位には、日本HPの新形態ブレードサーバー筐体がランクイン。ブレードなのにタワー型という斬新なアイデアが話題に。中小企業でブレードサーバーを導入する敷居を下げ、同分野のすそ野を広げることに大きく貢献する製品となった。

 そのほか、米SunによるMySQLの買収が5位にランクイン。実はこの記事が掲載された17日には、米Oracleによる米BEA買収の記事も掲載されたいたのだが、前々から動きのあったBEA買収よりも、“不意打ち”だったこちらの方に読者の関心がより集まっていたようだ。

順位 記事名 掲載日
1ハードウェア レノボ、ワークステーション「ThinkStation」の製品仕様を公開 1/22
2ハードウェア インテル、45nm Hi-kプロセス採用のノート向けプロセッサなど16製品を発表 1/8
3ハードウェア ブレードなのにタワー型!? 日本HPが新形態のブレードサーバー筐体を発表 1/28
4ハードウェア 日本HP、3万円で買えるシンクライアント-ノート型や4画面出力対応なども 1/29
5海外 米Sun、オープンソースDBのMySQLを買収へ 1/17
6セキュリティ マイクロソフトが1月の月例パッチを公開、TCP/IP処理の脆弱性などを修正 1/9
7トピック マイクロソフト、最新の仮想化戦略-VMwareに対する価格優位性を強調 1/25
8トピック NEC、2007年度第3四半期は減収減益-今後、PC出荷は縮小傾向と予測 1/30
9ハードウェア 富士通、企業向けPC拡充-狭額縁でコンパクトな12.1型ノートPCなど 1/15
10ネットワーク ネットブート型シンクライアント環境を構築可能なソフトウェア「Phantosys」 1/11


【2月】Windows Server 2008に注目が集まる

 Windows Server 2008 RTMを伝えた記事が2位にランクイン。仮想化技術のHyper-V、検疫ネットワーク技術のNAPをはじめ、さまざまな新機能が盛り込まれたこのサーバーOSには高い関心を集めており、連載「Windows Server 2008研究所」も毎回注目されている。

 3位に入ったのは、米AdobeのAIRリリースに関する記事。国内でもお披露目会が開催され、バースディケーキでお祝いする記事が8位に入った。マイクロソフトのSilverlightにアドビが参戦し、RIA(Rich Internet Application)市場はいよいよ白熱している。

 また、NECの四半期決算を報じた記事が4位に、同社の矢野社長が経営方針を語った記事が10位に、それぞれランクインした。日本を代表するIT企業ということで、読者の関心が高かったのだろう。

順位 記事名 掲載日
1セキュリティ マイクロソフト、2月の月例更新プログラムは緊急7件を含む12件に2/8
2海外 米Microsoft、Windows Server 2008とVista SP1の開発完了-日本語版も2/5
3海外 米Adobeが「AIR」をリリース、RIA戦略を強化2/26
4トピック NEC、2007年度第3四半期は減収減益-今後、PC出荷は縮小傾向と予測1/30
5ソフトウェア Windows Server 2008日本語版でデータ損失の問題-3月初旬にフィックス予定2/26
6セキュリティ マイクロソフト、2月の更新プログラム11件を公開-“緊急”は6件2/13
7ハードウェア レノボ、64GB SSD・13.3型TFT搭載の超薄型ノートPC「X300」2/26
8ソフトウェア “Happy Birthday AIR”、正式発表されたAIRを日本国内でお披露目2/27
9ソフトウェア 富士通がSaaSサービスを本格提供、パートナーの基盤整備など支援2/7
10トピック NEC矢野社長が経営方針発表-グローバルなイノベーションカンパニーを目指す2/21


【3月】Office LiveやVista SP1、Hyper-Vなどマイクロソフト関連が上位に

 前月に続き、Windows Server 2008関連の記事が注目を浴びる中で1位になったのは、オンラインサービス「Office Live」の正式サービス開始を伝えるニュース。SaaSが一般化した2008年のIT環境において、ソフトウェア+サービス戦略を伝えるマイクロソフトのオンラインサービスがどう展開するのかは、とても気になるところだろう。

 そのほか、「Windows Vista SP1の配布開始」「Windows Server 2008の評価版公開」「Hyper-VのRC公開」「脆弱性」と、マイクロソフト関連の記事に色濃く染まったのが3月。一方で、Windows Vistaの企業導入はなかなか進まず、早くも一段飛ばしで時期OSに期待する雰囲気が立ちこめ始めていた。

順位 記事名 掲載日
1ソフトウェア マイクロソフト、基本無料の「Office Live」正式サービスを開始3/6
2海外 米Microsoft、Windows Vistaの値下げを発表3/3
3ハードウェア アダプテック、速度と拡張性を強化したSATA/SAS両対応のRAIDコントローラ7製品3/11
4セキュリティ マイクロソフト、3月の月例更新プログラムは緊急4件-Outlook利用者は注意3/7
5ソフトウェア マイクロソフト、Windows Vista SP1の配布を開始3/19
6トピック 全領域への「45nm」展開めざすインテル、最大8コアの「Nehalem」など革新は続く3/19
7ソフトウェア マイクロソフト、Windows Server 2008評価版を一般公開-最大240日間利用可能3/21
8トピック マイクロソフト、Windows Server 2008などの対応製品を発表3/27
9海外 米Microsoft、仮想化ソフト「Hyper-V」のRCを公開-日本語をサポート3/21
10ハードウェア デル、Xeon 5400番台も搭載可能な“新世代”シングルソケットサーバー3/19


【4月】Windows Server 2008&Vista SP1に関心が集まる

 トップ10のうち6つと、4月も引き続きマイクロソフトの話題が多かった。3月の新製品・サービスリリースに伴う、プロモーションの記事がランクインしているあたり、マーケティング巧者としてのマイクロソフトの顔がうかがえる。

 日本HPの中小企業向けブレードサーバーの記事が10位に。ブレードサーバーも一般化が進み、据え置き型の筐体が提供されるなど、導入しやすい環境がどんどんと整備されている。以前のような興味本位ではなく、真剣に導入を考えるフェーズに変わってきているのを感じる。

 ランク外だが15位には、インテルのAtomプロセッサに関する記事が入っている。MID向けにリリースされた同プロセッサが、このあと、ネットブックという一大市場を切り開くことになる。

順位 記事名 掲載日
1トピック マイクロソフト、9980円のアップグレード版などVista SP1をアピール4/11
2ハードウェア 富士通が企業向けPCのラインアップを一新、24時間連続稼働モデルなどを提供4/16
3セキュリティ マイクロソフト、緊急5件を含む更新プログラム8件公開4/9
4ハードウェア 富士通初の暗号化機能付き2.5型HDD-AES 256ビット方式を採用4/21
5トピック 「ファイルコピーが最大70%高速化」、マイクロソフトがServer 2008+Vistaをアピール4/4
6ソフトウェア マイクロソフト、Windows Server 2008パッケージ版を4月16日より販売4/8
7トピック 「Windows Server 2008は64ビット化の幕開けになるOS」、米Microsoftレイン氏4/16
8トピック マイクロソフト樋口社長、次期中期計画は“エンジン強化”を骨子に4/18
9セキュリティ マイクロソフト、4月の月例更新プログラムは緊急5件を含む8件を予定4/4
10ハードウェア 日本HP、8万円台からのサーバーブレード投入-中小市場をさらに開拓4/24



( 編集部 )
2008/12/24 10:44

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